【Adobe Firefly:初心者ガイド】スタイル「効果:流行」解説!画像サンプル付き!
【著作権は本当に大丈夫?】Adobe製画像生成AI「Firefly」を検証!
- Published on: 2024年5月17日
- Category: tips
- Tags: ADOBE,DALL・E3,Firefly,生成AI,著作権
- Author: SAKUWEB by Liruu Design
先のブログで画像生成AIの著作権問題について触れました。
ちゃんと理解しておかないとヤバいことが分かりましたね。
とはいえ著作権侵害していないか画像ごとに調査するなんて作業、さすがに無理・・・・。
恐らく今後はサービス提供側も法整備で対応していくと思いますが、今使いたいんですよね・・・。
ということで、画像生成AIサービスの中から、AIの情報を開示しているサービスを探して、安全性を検証して、一番安全なサービスを調査します。
目次
- 著作権問題から解放されるために知っておくべきこと
- 著作権問題、全クリ?!ADOBEの画像生成AI【Firefly】!
- 【Firefly】のAIはどの情報を学習してる??
- しっかりしたユーザーガイドラインとプロンプトの規制
- メタデータでフェイク撲滅!コンテンツ認証情報(CAI)
- Fireflyのクオリティーは??どんなデメリットがある?
- DALL・E3 vs Firefly 同じプロンプトで性能テスト
- Fireflyのデメリットは?
- 安全を取るなら「Firefly」、リスクと高性能を取るなら「DALLE」
著作権問題から解放されるために知っておくべきこと
画像生成AIサービス側が「商用利用可能」「著作権問題ない」と主張しているのは、サービス提供側とサービスの利用者の二者間のみという話でしたね。
では、どんな条件なら第三者の権利を侵害せず、利用者も安心のサービスだとわかるのか考えてみます。
個人的には以下の3点の確認とサービス提供側の対応が必要です。
1)AIの学習元
そもそも学習元が明確であれば、著作権問題は気にせずに済みます。
2)プロンプトの規制
プロンプトに著作権を侵害するワードを含んていたとしても、システム側で排除する仕組みがあれば安心です。
3)コンテンツ認証情報
AIで作った画像だと証明できれば、フェイクニュース対策になります。
条件01)AIの学習元の確認
AIがどの情報を学習しているのかが分かれば、侵害の可能性もわかりますね。
ChatGPTのようにWEB上のあらゆる情報を学ばせている場合、「侵害」の可能性は非常に高いです。
ほとんどのサービスは学習元を明記していないので、明記しているサービスは稀ということになります。
条件02)プロンプトの規制
プロンプトとは、AIに出す指示書のことです。
SNSでも投稿に禁止ワードなどを設けていますよね。
生成AIのプロンプトも、著作権に関わる禁止ワードを設けているシステムなら安心できます。
というのも、悪意がなくても気づかずに著作権に触れるワードをプロンプトに打ち込んでいた経験があるからです。
「ピクサーのようなキャラクター」とか「ホーキング博士の黒板のように」とか・・・。
プロンプト自体に規制を設けているのであれば、うっかりが大惨事になることもありませんね。
条件03)コンテンツ認証情報
生成系AIは簡単にディープフェイクを作れてしまいます。
これは直接命に繋がらなくても、とても危険な行為です。
注意深い人は、感度が高く違和感を見つけやすいのでフェイクニュースだと気づきます。
でも、最近は巧妙な詐欺が横行しているうえ、やっぱり精神面を刺激するので騙されてしまう人が多いですよね。
また、ウソを真実だと勘違いしている人に、本当のことを説明したとしても、真実だと信じてもらえないことは多々あります。
これも精神的なものに絡んだ事柄だと尚更ですね。
全ての人が「これはフェイクだ」と100%確実に、簡単に、証明できるシステムが必要です。
そうすれば、災害時に心無い人間が作るフェイクニュースにいちいち反応することもなくなり、
人命救助に専念できますね。
デジタル署名のように、何で作った画像なのか確認できれば完璧に安全です。
自分が作った画像がフェイクニュースに使われないようにするためにも絶対必須です。
これら3点を条件に、画像生成AIサービスを吟味した結果、安全だと思えるサービスを紹介します。
著作権問題、全クリ?!ADOBEの画像生成AI【Firefly】!
調査した結果、ADOBE製の画像生成AI「Firefly」が安全だということが分かりました。
ADOBE製の画像生成AI「Firefly」の特徴は、
生成画像にさまざまな加工やテイストを加えることができます。
テキストでの指示にプラスして、テイストや構図、カメラアングルや照明の色など、非常にというか異常に細かな設定ができるようなにナビゲーションが設定されています。
個人的には機能がたくさんありすぎて選べないパターンです。
では、本当に安全なのか条件をひとつずつ確認していきましょう。
【Firefly】のAIはどの情報を学習してる??
ADOBE製の画像生成AI「Firefly」が学習しているのは、2024年5月現在以下のとおりです。
1) Adobe Stockのデータ
2) オープンライセンスのコンテンツ(CC0)
3)著作権が切れたコンテンツ(パブリックドメイン)
【オープンライセンス】
著作者が著作物・特許などの再利用を許可するという意思表示で、制約なく、だれでも自由に利用できるコンテンツのことです。
【パブリックドメイン】
著作者の没後70年が経過した著作物の著作権が消滅するので、制約なく誰でも自由に利用できるコンテンツのことです。
【Adobe Stock】ってなに?
写真やベクター画像、オーディオや動画などの商用利用可能なロイヤリティフリーの素材を扱うADOBE運営のストックフォトサービスです。
Fireflyは、Adobe stockに公開された商用利用OKでロイヤリティフリーの素材データのみを学習しています。
学習元が明確になっているので、著作権侵害の心配はないということがわかりました。
しっかりしたユーザーガイドラインとプロンプトの規制
Fireflyには、「ガイドライン」や「コンテンツポリシー」が設定されています。
たとえば、
「ピクサーのようなキャラクター」「スターウォーズのような背景」などのワードをプロンプトに入れて生成すると、以下のメッセージが表示されます。
「ユーザーガイドラインを満たしていない可能性があるため削除されました。」
「ピクサー」「スターウォーズ」のワードが著作権に触れるので、このワードを無視してとりあえず画像を生成するシステムになっています。
「生成できません。」と一蹴されるより「無視するけど生成はする」方が、良い仕組みです。
もちろん、「戦争」とか「犯罪」など暴力的・性的なワードも同じく削除される仕組みになっているので、安全です。
メタデータでフェイク撲滅!コンテンツ認証情報(CAI)
Fireflyで生成された画像だとわかるように、
画像自体に「コンテンツ認証情報」というメタデータが付与されます。
コンテンツ認証情報(CAI(Content Authenticity Initiative))は、
画像生成時に、画像自体に
「出力サムネイル」「発行元」「コンテンツの概要」「使用アプリ情報」などの情報が
自動的に付与される仕組みです。
画像の透明性を保つことができ、ディープフェイク対策ができるようになります。
このCAIのおかげで、
メタデータを見れば誰でも
「この画像は生成AIで作ったよ!このアプリ使って作ったんだよ!」ということが簡単に判別できます。
Fireflyのクオリティーは??どんなデメリットがある?
Fireflyなら著作権やディープフェイクのことを考えずに利用できることが分かりました。
とはいえ、クオリティーや性能面でデメリットもあります。
ということで、他の生成AIサービスと比べて、クオリティーはどうなのか?、デメリットも紹介します。
DALL・E3 vs Firefly 同じプロンプトで性能テスト
今回は、同じプロンプトで「Bing Image Creater」を使って「DALL・E3」と比較してみます。
プロンプトは以下を入力。
目が大きくて愛らしく全身白いもふもふ毛で覆われた宇宙人のようなキャラクターが笑いながら手を振っている、鮮やかな色彩、3Dアートの質感
比較するのプロンプトに忠実かどうかと画像と構成レベルです。
DALL・E3の出力結果
では結果を見てみます。まず「DALL・E3」
大きなサイズで見てみましょう。
宇宙人のような触覚があって、モフモフの白い毛で、愛らしい大きなお目目、笑いながら手を振っています。3Dアートっぽい質感で、右から赤いライトが当たっていて鮮やかさも演出できています。
プロンプトに忠実に出力できています。
こちらも先の画像と同様にプロンプトに入れた条件のほぼ全てをクリアしています。
1枚目よりも鮮やかで、まるで宇宙にもさまざまな民族や文化があって多文化を受け入れることで幸せです!ってな良い画像に出来上がりました。個人的にはスゴク好きっっ!
一度の生成でこのレベルなので、非常に満足できました。
Fireflyの出力結果
では、「Firefly」を見ていきます。
・・・なんじゃこりゃ・・・・ダサっっ。
プロンプトガン無視かいなっっ・・・。
やはり工夫が必要みたいです。
プロンプトに「鮮やかなカラー」「ファンタジー」「超現実的」などの条件を付与して、再度生成させました。
プロンプトに「手を振っている」と書いても振ってくれなかったのでもう削除しました・・・。
目が大きくて全身モフモフの白い毛で覆われた奇妙だけど可愛い宇宙人です。
色鮮やかでちょっと粗いですが、一応3Dの質感になっていてそこそこ満足できる画像になりました。
こちらは体が小さいからか愛らしさが増し増しです。
毛もちゃんとふわふわ毛で生成されています。この子はまつ毛がパッションですね。
Fireflyは、ちょっとギャンブル的な側面があります。
指示の出し方や、スタイルやテイストの組み合わせによって、
めっちゃ良い画像になったりめっちゃダサい画像になったり・・・。
振れ幅が大きく安定していないので、理想に近づけるのは手間と運と根気が必要そうです。
Fireflyのデメリットは?
使ってみたうえでの所感ですが、デメリットをあげてみます。
同じキャラクターを生成できない
生成した同じキャラクターや人物を使えないのは大きなデメリットだと言えます。
このキャラクターで、この人物で、こんな風景にしたいということができません。
Fireflyでは、生成するごとに新たにキャラが生成されてします。
似たキャラクターや人物はできても、「同じ」は生成できません。
一応、企業で利用する場合は「権利申請」すればPhotoshopやillustratorなどでも使えるようになるそうです。
ChatGPTだと同じキャラクターが使えるので、Fireflyも改善して欲しい点です。
日本の文化を反映できない
日本独特のルールを勉強しているわけではありません。
たとえば運転席やシートベルトが逆になったりします。
(「DALL」で試してないので同じ問題はあるかもしれませんが・・・。)
あと、これは難しいんだと思いますが、どうしても日本人というより中国人っぽい仕上がりになってしまいます。
プロンプトには語彙力も必要
先の実験でもわかる通り、性能が高いChatGPTでは比較的簡単に希望に近い画像を出力してくれます。
でも、Fireflyではそうはいかず、さまざまなメニューの設定やプロンプトに語彙力が必要なのは明白です。
簡単に使うことができず、メニュー他を使いこなせなければ、非常に面倒です。
安全を取るなら「Firefly」、リスクと高性能を取るなら「DALLE」
双方のいいとこどりのサービスをどこかが提供してくれるとありがたいですが・・・。
現状では、どっちを取るかで使うサービスが変わってきますね。
Fireflyの問題はプロンプトとメニュー他の使い方です。
次回は、最低限の使い方をマスターしてみたいと思います。